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社会保険とお金

意外と知られていない「教育訓練給付」の拡充

社会保険とお金

こんにちは、佐佐木 由美子です。

2024年10月以降、雇用保険から支給される「教育訓練給付金」の給付率について一部見直しが行われているのをご存じでしょうか。

再就職や早期のキャリア形成のための「特定一般教育訓練」、中長期的なキャリア形成を後押しする「専門実践教育訓練」の給付率が上乗せされています。

訓練効果を高めるためのインセンティブ強化のため、給付率が受講費用の最大70%から80%に引き上げられています。

このエントリでは、どのような場合に給付金がアップされるのかお伝えします。これから学び直し等を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

教育訓練給付金は3種類

教育訓練給付制度は、働く人々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。

給付金の対象となる教育訓練は、その内容等に応じて、「専門実践教育訓練」、「特定一般教育訓練」、「一般教育訓練」の3種類があります。

教育訓練には約1万6000もの講座があり、インターネットで検索できるので、自分の専門や興味と合うものをチェックしてみると具体的なイメージが持てるかもしれません。

教育訓練給付を受けるには、原則3年間の雇用保険加入が必要(初めての場合1年間または2年間)になります。

「特定一般教育訓練給付金」の拡充

「特定一般教育訓練給付金」については、教育訓練の経費の40%(上限20万円)に加えて、資格取得・就職した場合に、教育訓練経費の10%(年間上限5万円)が追加で支給されます。

ここでいう「資格取得・就職した場合」とは、訓練修了日の翌日から起算して原則1年以内に雇用保険の一般被保険者等として雇用された、または一般被保険者等として雇用されていて、特定一般教育訓練修了日の翌日から起算して原則1年以内にその訓練に係る資格を取得(学位の取得等を含む)した場合をいいます。

なお、教育訓練経費とは、受講者が教育訓練実施者に対して支払った入学料と受講料の合計をいいます。

たとえば、訓練期間が3か月で入学料5万円、受講料25万円の場合、本体給付が12万円(20万円の40%)に加え、資格取得等した場合は追加で3万円(30万円の10%)、合計15万円が支給されます。

「専門実践教育訓練給付金」の拡充

「専門実践教育訓練給付金」については、教育訓練の経費の50%(上限40万円)に加えて、資格取得・就職した場合は、追加で教育訓練経費の20%(年間上限16万円)が支給されます。

ここでいう「資格取得・就職した場合」とは、専門実践教育訓練を修了し、その訓練に係る資格を取得(学位の取得等を含む)し、かつ、訓練修了日 の翌日から起算して原則1年以内に雇用保険の一般被保険者等として雇用されたまたは一般被保険者等として雇用されていて、専門実践教育訓練修了日の翌日から起算して原則1年以内にその訓練に係る資格を取得(学位の取得等を含む)した場合をいいます。

さらに、訓練修了後の賃金が受講開始前の賃金と比較して5%以上上昇した場合は、教育訓練経費10%(年間上限8万 円)が追加で支給されます。

まとめ

上記について一覧でまとめると、以下のようになります(いずれも金額の上限あり)。

前回のエントリでもお伝えしましたが、2025年4月からは自己都合で退職した人における失業給付の給付制限が見直されます。

学び直しを武器に、転職へのハードルが下がっていくかもしれません。

技術革新やビジネスモデルの変化に対応していくには、リスキリングが重要になります。

教育訓練給付金について詳しく知りたい方は、お住まいを管轄するハローワークに問い合わせてみてもよいでしょう。

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執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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