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建築家・谷口吉生の美術館建築

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

去る2024年12月16日に、洗練されたモダニズム建築を手掛け、「美術館建築の名手」とも呼ばれ建築家・谷口吉生氏が亡くなりました。享年87歳。

これまで手掛けた美術館等としては、ニューヨーク近代美術館新館、豊田市美術館、資生堂アートハウス(高宮眞介氏との共同設計)、清春白樺美術館、土門拳記念館、東京都葛西臨海水族園など数えきれません。

谷口吉生(1937‐2024年)は、ハーバード大学デザイン大学院建築学専攻後、ボストンの建築設計事務所勤務、丹下健三の都市・建築研究所を経て1975年には独立。

まだ訪問しきれていない場所が多々ありますが、このエントリでは、建築家・谷口吉生が手掛けた美術館で個人的に感動した美術館ベスト3をピックアップしてご紹介します。

3.香川県立東山魁夷せとうち美術館(香川県坂出市)

瀬戸大橋を望む絶好の地に、日本画の巨匠・東山魁夷の版画作品を中心とした約270点の作品が収蔵されている小さな美術館。2003年11月着工、2005年4月9日に開館。

2025年4月上旬まで設備工事のため臨時休業中ですが、2024年5月に「自然は心の鏡-魁夷が描いた国立公園」展を鑑賞してきました。

門からのアプローチは、東山魁夷の代表作「道」をイメージした造りでとても印象的。建物の外観は、東山魁夷の作品を象徴する穏やかなグリーンに統一されています。

エントランスを入ると左手に壁面高6メートルの展示室、階段を上り東西に長く延びた展示室2を見終えると、階段を下り1階のラウンジに至ります。

そこに広がるラウンジの大きな窓からは、穏やかな瀬戸内海と瀬戸大橋が一望できます。

魁夷の祖父が生まれそだった櫃石島が浮かぶ瀬戸内海の景色を眺望できる

これほどの眺望を堪能できる美術館のラウンジは、国内でも数えるほどではないでしょうか。

ラウンジからテラスへ出て、軽く外を散策することもできます。

最寄駅となるJR坂出駅より、バスか乗合タクシーもしくは、タクシーで約20分かかります。小さい美術館で、東山魁夷の作品数自体はそれほど多くありませんが、この絶景と建築を楽しむために美術館を訪れる価値は十分にあります。

2.長野県立美術館 東山魁夷館(長野県長野市)

著名な善光寺から徒歩5分ほどの距離にある、長野県立美術館 東山魁夷館。

自然と調和したランドスケープを保ちながら、内部は東山魁夷の世界が存分に堪能できる空間が広がっています。

今回の設計で考えたことは、言うなれば展示作品の額縁になるような建築にするという方針です。額縁は絵よりも目立ちすぎて鑑賞の妨げになってはいけないし、絵を守る役目もある。「簡潔な意匠と十分な機能性」ということから発想しています。

~東山魁夷館の設計にあたって(長野県立美術館ホームページより)

谷口吉生の美術館建築の特徴が、この言葉に集約されているように思います。

展示作品を引き立てる大胆な空間構成とシンプルなデザイン。環境との調和も見事に計算されています。アプローチから期待感で胸の高鳴りを感じるのは私だけではないでしょう。

詳しくは、以下のエントリをご覧ください。

1.丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(香川県丸亀市)

香川県丸亀市ゆかりの画家・猪熊弦一郎(1902‐1993年)の全面的な協力のもと、1991年11月に開館した美術館。

猪熊弦一郎との対話によって、アーティストと建築家の理念が細部に至るまで具現化された建築というだけあり、作品と建築の鑑賞を存分に楽しむことができます。

駅前広場から続き街に溶け込んでいるランドスケープ。そして、美術館の建物正面は、絵の額縁のような大胆なデザイン。

エントランスから大きく吹き抜けた天井は高く、壁の最上部と天井のトップライトの双方から優しい自然光も採りこんでいます。

猪熊作品と、谷口建築が融合した唯一無二の美術館でした。

詳しくは、以下のエントリをご覧ください。


番外編として、「東京国立博物館 法隆寺宝物館」を最後に。

人工池を配した水面の静寂さと開放的なファサードが美しい建物は、2001年度の建築学会賞を受賞。何度訪れても落ち着く場所です。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

これからも建築家・谷口吉生が築いた各地の美術館を訪ねてみるつもりです。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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