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フリーランス新法の基礎知識④~発注事業者がやってはいけないこと

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

フリーランス新法の基礎知識シリーズ4回目は、発注事業者の禁止行為についてです。

発注事業者側は禁止事項として挙げられる7つの行為について、よく理解しておく必要があります。

7つの禁止行為とは

フリーランスに1か月以上の業務委託をしている発注事業者には、7つの禁止行為が定められています(特定受託事業者に係わる取引の適正化等に関する法律、第5条)。

たとえフリーランスの了解を得たり、合意していたとしても、また、発注事業者に違法性の意識がない場合も、これらの行為は法律に違反することになるため、十分な注意が必要です。

  1. 受領拒否
  2. 報酬の減額
  3. 返品
  4. 買いたたき
  5. 購入・利用強制
  6. 不当な経済上の利益の提供要請
  7. 不当な給付内容の変更・やり直し

1.受領拒否

フリーランスに責任がないにもかかわらず、委託した物品や情報成果物の受け取りを拒むことは認められません。発注事業者の一方的な都合によるキャンセルや納期を延期することであらかじめ定めた納期に受け取らないことも受領拒否に当たります。

2.報酬の減額

フリーランスに責任がないにもかかわらず、業務委託時に定めた報酬の額を、あとから減らして支払うことを指します。協賛金の徴収、原材料価格の下落など、名目や方法、金額にかかわらず、あらゆる減額行為が禁止されています。

3.返品

フリーランスに責任がないにもかかわらず、フリーランスに委託した物品や情報成果物を受領後に引き取らせることをいいます。なお、不良日などがあった場合には、受領後6か月以内に限って辺品することが認められます。

4.買いたたき

フリーランスに委託する物品等に対して、通常支払われる対価に比べて著しく低い報酬の額を定めることをいいます。報酬の額は、あらかじめ両者でしっかり協議して定めることが大切です。

5.購入・利用強制

フリーランスに委託した物品等の品質を維持、改善するためなどの正当な理由がないのに、発注事業者が指定する者や役務を強制して購入、利用させることをいいます。

6.不当な経済上の利益の提供要請

発注事業者が自己のために、フリーランスに金銭、役務、その他の経済上の利益を提供させることによってフリーランスの利益を不当に害することをいいます。たとえば、荷物の運送のみを委託しているにもかかわらず、委託内容に含まれていない荷積み作業を無償で行わせるような行為が該当します。

7.不当な給付内容の変更・やり直し

フリーランスに責任がないにもかかわらず、費用を負担せずに、フリーランスの給付の内容を変更させたり、給付を受領したあとにやり直させたりして、利益を不当に害することをいいます。たとえば、ソフトウエアのプログラム作成を委託したところ、プログラム受領後に、あらかじめ定められた検査基準を恣意的に厳しくし、発注内容と異なることを理由に受賞でやり直させるような行為が該当します。

問題が起きたとき、どこに相談すればいい?

以上は発注事業者に定められたものですが、フリーランスとして働く人がこうした内容でトラブルを抱えているときは、どこに相談したらよいのでしょうか。

取引の適正化に関するものについては、公正取引委員会となります。

相談先

公正取引委員会 事務総局

経済取引局取引部 フリーランス取引適正化室

千代田区霞が関1-1-1 中央合同庁舎第6号館B棟

※上記の管轄地域は、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県。それ以外は各地方事務所による。

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執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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