こんにちは、佐佐木 由美子です。
2024年11月1日から施行される「特定受託事業者に係わる取引の適正化等に関する法律」(以下『フリーランス新法』といいます)について、公正取引委員会と厚生労働省の調査結果によると、フリーランス新法の内容を知らないフリーランスは76.3%、発注側の企業も54.5%に上り、認知不足が浮き彫りになっています。
フリーランスとして働く人はもちろん、フリーランスに業務を委託する事業者も知っておくべき必要があります。
そこで、今回からフリーランス新法の基礎知識と題して、おさえておきたい重要ポイントについて取り上げていきます。
フリーランス新法とは?
多様な働き方の進展にともない、フリーランスという働き方が社会一般に広がってきました。
その一方で、個人であるフリーランスと、組織である発注事業者の間における交渉力の格差などから、報酬不払いをはじめとする、さまざまな問題も起きています。
フリーランスが安心して働ける環境を整備するために、フリーランス新法が制定され、2024年11月1日から施行されることになりました。
対象となる事業者とは?
この法律では、対象となる事業者を次のように定義しています。
フリーランス【特定受託事業者】
業務委託の相手方である事業者であって、次の(1)、(2)のいずれかに該当するものをいいます。
(1) 個人であって、従業員を使用※しないもの
(2) 法人であって、一の代表者以外に他の役員がなく、かつ、従業員を使用しないもの
※…従業員を使用とは、1週間の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用が見込まれる労働者を雇用することを指す。 派遣労働者を受け入れる場合も該当。同居親族のみを使用する場合は該当しない。
発注事業者
【特定業務委託事業者】
フリーランスに業務委託をする事業者であって、次の(1)、(2)のいずれかに該当するものをいいます。
(1) 個人であって、従業員を使用するもの
(2) 法人であって、役員がいる、または従業員を使用するもの
【業務委託事業者】
フリーランスに業務委託をする事業者(フリーランスも含む)をいいます。
対象となる取引とは?
フリーランス新法の対象となる「業務委託」とは、事業者がその事業のために他の事業者に、給付に係わる仕様、内容等を指定して、物品の製造、情報成果物の作成または役務の提供を委託することをいいます。
たとえば、情報成果物の場合、映像コンテンツや各種デザインなどの作成を委託すること、役務の提供委託では、コンサルタントや営業、セラピーなどの役務提供など挙げられます。
そして、事業者からフリーランスへの業務委託(B to B)が対象となります。
フリーランス新法の適用対象には、業務・業界の限定がありません。 対象となる取引としては、発注事業者からフリーランスへ委託するすべての業務が対象です。
次回は、取引を行う際に必須となる、取引条件の明示義務についてお伝えします。
このエントリがよかったら♡をクリックください!