こんにちは、佐佐木由美子です。
皇居三の丸尚蔵館で開催中の「花鳥風月~水の・月の風景」を鑑賞してきました。
皇居・東御苑にある「三の丸尚蔵館」は、皇室から国に寄贈された古代から近代までの貴重な美術工芸品の保存と公開を行う施設で1993年11月3日に開館。2023年10月から国立文化財機構に移管され、同年11月3日から「皇居三の丸尚蔵館」としてリニューアル開館されました。
日本の美しさは、四季折々に見られる風景にあると日頃から感じています。
まさに花鳥風月という言葉に、集約されているといっても過言ではありません。
この展覧会は、四季折々の景色の中で、雨などの水の情景や、月をあらわした風景などの作品を皇室ゆかりの肖像品の中から集めた企画です。
一部の収蔵品を除き、写真撮影が可能ということで、印象に残った作品を幾つかご紹介します。
2つのコンパクトな展示室
第二展示室では、主に江戸時代から大正時代の漆工や金工などの工芸品がメインに展示されていました。
精緻に施された絵柄の調度品は、まばゆいばかりに豪華絢爛。
京の名所、嵐山の風景美を染織で味わうことのできる作品は、市井の人たちの自然な姿も表現されています。
少し広めの第一展示室は、著名な作者の作品が勢ぞろい。
川合玉堂の《雨後》は、虹がかかる雨上がりの一瞬を描いた秀作。ひんやりと湿気の漂う空気感や、風に葉がたなびく様子など、目を閉じるとその場に入り込んでしまったような臨場感があります。
かの有名な伊藤若冲の国宝《動植綵絵》のうち《梅花皓月図》が公開されていました。
咲き誇る白い梅の花と、夜空を照ら満月。情緒ある見事な作品でした。
ルーペをもってくればよかったと、ちょっと悔やまれました。
秋草に朝露が光る様子を描いた平福百穂の《朝露》は、奥ゆかしい風情が感じられる作品。
そして、上村松園の《雪月花》も優美な逸品。
「雪」は『枕草子』、「月」は『源氏物語』、「花」は『伊勢物語』の一場面描いたといわれる三幅対で、二十年もの歳月をかけて描かれたといわれています。
ずっと人影が途絶えず、よい角度から撮れませんでしたが、イメージだけでも。
このほか、写真撮影は不可でしたが、山口蓬春の《三熊野の那智の御山》も色遣いが素晴らしいスケールの壮大な作品でした。
この展覧会は10月20日まで(ギリギリで鑑賞できました)。
展示されている作品は、すべて皇居三の丸尚蔵館の収蔵品。
現在も建物の建て替え工事が進められており、全館開館は2026年の予定。完成が楽しみです。
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