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介護に直面する前の早期の情報提供とは?

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律」が2025年(令和7年)4月と10月に施行されます。

その中のひとつに、『介護に直面する前の早い段階での両立支援制度等に関する情報提供』があります。

働く人にとっても知っておきたい内容となるので、今回のエントリでは、介護に向けた早期情報提供について取り上げます。

どのような内容が提供される?

今回の改正では、仕事と介護の両立支援に向けた介護関連の内容が多く含まれています。

家族の介護の必要性の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置がそのひとつですが、介護に直面する前のもっと早い段階で、「当社にはこんな両立支援制度がありますよ!」と伝えておくことで、就業を前向きに捉えて介護離職を防止するねらいがあります。

では、どのようなことが情報提供されるかというと

・介護休業に関する制度

・介護両立支援制度等

・介護休業及び介護両立支援制度等の申出先

・介護休業給付金に関すること 

といった内容になります。

これらは、基本的に個別周知の内容と同じです。

改正指針では、介護保険制度についてもあわせて知らせることが望ましいとしています。

早期とは、いつを指す?

事業主が情報提供を行う期間は、具体的には次(1)(2)のいずれかとされています。

いずれとなるかは会社によって異なりますが、だいたい40歳を目安として、こうした情報提供があるのだな、と思っておけば大丈夫。

会社側としては、時期や提供方法などの運用について、事前に決めておく必要があります。

40歳というのは、給与から介護保険料が天引きされる時期。

介護保険の被保険者は、65 歳以上の方(第1号被保険者)と、40 歳から 64 歳までの医療保険加入者(第2号被保険者)に分けられます。

介護保険料率は、年々上昇しています。介護保険料が徴収されることで手取り額が少し減り、それで「あれ?」と思われる方も少なくないでしょう。

事業主は、労働者が、当該労働者が四十歳に達した日の属する年度その他の介護休業に関する制度及び介護両立支援制度等の利用について労働者の理解と関心を深めるため介護休業に関する制度、介護両立支援制度等その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるのに適切かつ効果的なものとして厚生労働省令で定める期間の始期に達したときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に対して、当該期間内に、当該事項を知らせなければならない。

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(第21条第3項)

情報提供の方法は会社によって異なる

こうした早期の情報提供は、以下のいずれかの方法によって行うこととされています。

1. 面談

2. 書面の交付

3. ファクシミリを利用しての送信

4. 電子メール等の送信

介護両立支援等の個別周知・意向確認では、上記3、4の方法とするときは労働者の希望がある場合となりますが、早期の情報提供については労働者の希望は条件とされていません。

そのため、電子メール等で一斉に対象者に送付される方法を取る職場が多いかもしれません。

まとめ

今回取り上げた早期の情報提供については、介護両立支援等の個別周知・意向確認のように労働者から申出があった場合に行うものではありません。

40歳となった一定の時期に、会社から提供されるものです。

まだ家族の介護が必要ない場合であっても、勤務先にさまざまな介護と仕事の両立支援制度があることがわかれば、少し安心ですね。

この改正は、2025年4月1日に施行されます。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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