こんにちは、佐佐木 由美子です。
多様な働き方が推進される一方、働き方の違いによって社会保障の差が生じることについては、これまでも様々な意見がありました。
特に、出産・育児面においては、会社員等と自営業者・フリーランス等とでは、大きな差異があります。
産前産後期間における国民年金・国民健康保険料の免除はありましたが、これに加えて改正によって育児期間における国民年金保険料も免除措置が創設されることになりました。
所得や休業要件はどうなる?
2026(令和8)年10月1日より、自営業・フリーランス等の国民年金第1号被保険者について、その子が1歳になるまでの期間、国民年金保険料の免除措置が創設されることになりました。
産前産後期間とは異なり、子を養育する国民年金第1号被保険者の父母ともに措置の対象となります。
国民年金保険料が免除されるとともに、この期間に係わる被保険者期間の各月を保険料納付済み期間として算入されます。つまり、保険料免除期間における基礎年金額については満額保障となります。
育児休業を取得できる被用者(会社員等)とは異なり、自営業・フリーランス・無業者等の国民年金第1号被保険者については、育児期間における就業の有無や所得の状況は様々です。
こうした多様な実態を踏まえ、第1号被保険者全体に対する育児期間中の経済的な給付に相当する支援措置とし、一般的に保険料免除を行う際に勘案する所得要件や休業要件は設けられないこととなりました。
この点は大きなポイントといえるでしょう。
対象となる免除期間の考え方
原則として、子を養育することになった日から子が1歳になるまでが育児期間免除の対象期間となります。
実父や養子を養育する父母の場合、育児期間免除の対象期間は最大12カ月になります。
一方、産前産後免除が適用される実母の場合、産後免除期間(4カ月)に引き続く9カ月が育児期間免除の対象期間になります。
まとめ
国民年金第1号被保険者の育児期間に係わる保険料免除措置は、2026年(令和8)年10月1日からスタートします。
この財源は、子ども・子育て支援納付金が充てられます。
この措置は、子を養育する実母・実父・養子を養育する父母が対象となり、所得や休業要件は設けられていません。
実施されるまでまだ2年以上ありますが、共働き・共育ての推進として着実に制度の見直しが行われている点に注視したいところです。