こんにちは、佐佐木由美子です。
2022年4月から段階的に施行される改正・育児介護休業法。人事担当者に説明していると、現行法の「パパ休暇」と改正後の「産後パパ育休」とはどう違うのですか?と質問されることがよくあります。非常に紛らわしいので、最後まで読んで両者の違いをしっかりと理解してください。
「パパ休暇」とは?
育児休業は、原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者が申出により取得することができます。申出の回数は、法律で規定された特別の事情がない限り1人の子につき1回であり、申し出ることのできるのは連続した一まとまりの期間となります。
ただし、子どもの出生後8週間以内の期間内にされた育児休業については、特別な事情がなくても再度の取得が可能とされています。この出生後8週間以内の育児休業をいわゆる「パパ休暇」と言いいます。つまり、通常の育児休業の例外として、現在の法律では取り扱われています。
出生後8週間以内といえば、女性で考えれば産後休業に当たる期間。養子縁組等を除き、男性が想定されているので、通称パパ休暇と呼ばれています。
「産後パパ育休」とは?
「産後パパ育休」(正式には「出生時育児休業」といいます)は通常の育児休業とは別に、改正によって新たに創設されるものです。子どもの出生後8週間以内の期間内に取得する育児休業という意味では「パパ休暇」と一見同じように思えますが、以下の点で違いがあります。
・出生後8週間以内のうち4週間まで取得可能
・分割して2回取得することが可能(初めに申し出る必要あり)
・育児休業の申出が原則として2週間前まで ※1
・労働者が合意した範囲で休業中に就業が可能 ※2
※1 雇用環境の整備などについて、今回の改正で義務付けられる内容を上回る取り組みの実施を労使協定で定めている場合は、1か月前までとすることが可能
※2 労使協定を締結している場合に限る。就業可能日等に上限あり
あらかじめ合意のうえ就労できる、というのはこれまでにない大きな改正です。
2022年10月1日からは、1歳までに2回の分割取得が認められるように改正されるため、産後パパ育休と合わせると男性は子どもが1歳になるまで計4回の育児休業を取得することが可能になります。
2022年10月からはこう変わる
改正・育児介護休業法によって2022年10月1日から「産後パパ育休」が新たに創設されます。これにより、「パパ休暇」はなくなり、出生時育児休業(産後パパ育休)と育児休業の分割取得化に見直されることになります。
名称も内容も大変紛らわしいですが、これらは別のものです。会社の就業規則(育児・介護休業規程など)を確認するときはご注意ください。
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