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根津美術館~光琳の燕子花図2025

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

この時季、見逃すことの展覧会といえば、根津美術館の国宝・燕子花図屏風を中心とした特別展。

根津美術館が所蔵する国宝・重要文化財あわせて100件のうち、日本近世の絵画は3件のみ。尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」と、円山応挙「藤花図屏風」、鈴木其一「夏秋渓流図屏風」の2点の重要文化財です。

今年は、財団創立85周年ということで、これらを一堂に会したゴージャスな特別展「国宝・燕子花図と藤花図、夏秋渓流図~光琳・応挙・其一をめぐる3章」が開催されています。

いずれも6曲1双の金屏風。この3作品を見るためだけに足を運ぶ価値はあります。

他の展示作品も、数は多くないものの見応え十分でした。

2階の展示室で同時開催されている「女面の魅力~能「杜若」に寄せて~」も、興味深いものがありました。

今回、特に胸がざわついた作品といえば、鈴木其一(1796~1858)の「夏秋渓流図屏風」でしょう。

檜の林と岩間を流れる渓流が連続する六曲一双屏風。

右隻には夏を代表するユリの花。克明な描写に対して、驚くほどに単純化された岩笹。

左隻には桜の葉が見事なまでに繊細に描かれています。

にもかかわらず、ねっとりと這うように描かれた水流の毒々しさまで感じる群青と、異様なまでに点在する苔の緑。

それらが背景の金屏風と強烈なまでに対比され、違和感を拭うことができません。

まさにエキセントリックな作品で、強烈な印象を残します。

ロビーを除き、展示室はすべて撮影NGとういことで、このエントリでは庭園の写真をアップします。

美術館の庭園散歩

庭園から臨む美術館

本館から一歩外に出て、石畳の小径を進み樹々の中を下って行くと、4棟の茶室を含む17,000㎡におよぶ庭園が広がっています。

小鳥のさえずりが響き、緑の香りがする。ここは、まさに都会のオアシス。

起伏に富んだ地形を歩くのは楽しく、所々に由緒ある石造物が配され、飽きることがありません。

これまで数々の美術館を訪れていますが、これほど見事な、四季折々の自然を体感できる庭園は他に思いあたりません。

今年は少しカキツバタの開花が遅いようで、まだ花を見ることはできませんでしたが、池のほとりにさく藤が美しく咲いていました。

池を見おろす茶室「披錦斎」でお抹茶と季節のお菓子を楽しむひととき
青山と号した根津嘉一郎の書が見事
茶室付近からの眺め
薬師堂は庭園の奥にひっそりと。ここまで足を運びたい
薬師堂にある、水琴窟の繊細な音色に耳を澄ませて
根津美術館八景の一つ、月の石船。正門近くにある

庭園内を写真でご紹介しましたが、ご興味のある方は、ぜひ足を運んで楽しんでいただけたらと思います。

根津美術館については、以前にも書いたエントリがあるので、よろしければこちらもご覧ください。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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