このエントリは、佐佐木由美子のnoteから一部編集して転載しています。
こんにちは、佐佐木 由美子です。
体が動くうちに海外旅行をすればよかった。ワインのおいしいお店に行っても自由に飲めない。若いうちにやれることがあったらやったほうがいい。老後にやろうと思っていても、老後になるとできないことがあまりにも多すぎる
12月にキャスターとして活躍した小倉智昭さんが亡くなりました。享年77歳。
小倉氏が生前に遺した言葉です。
2016年から病魔と闘い続け、人生の終盤は思い描いていたような生活は叶わなかったようです。
全力を傾けて取り組めるほど仕事に価値を見出した人であっても、老後になって後悔する人は少なくありません。
自由な時間と、有り余るほどのお金が手に入ったとしても、それらを十分に活用できなければ、何のためのものでしょうか。
人には、いつ尽き果てるかわからない寿命というものがあります。
元気なときは、まだ先があるような気になってしまい、「そのうちにやろう」とつい先延ばしにしがちです。
しかし、人生の最期を迎えるときに、「〇〇をすればよかった」と多くの悔いは残したくありません。
うまくいこうがいくまいが、「何かの想い」があるなら、やってみた方がいい。
心から、そう思います。
ただ、何か行動に移そうとするとき、ネックとなってくるのが時間の問題です。
『世界一眠らない国』日本
1日のうち、多くの時間を費やしているのが仕事に係わることです。なかには残業が多くて、休みも取りにくい職場もあるでしょう。
仕事は生活の糧を得るためにも大事ですが、それに取られる時間があまりにも多すぎると思うのです。
仕事に加えて、日常的な家事等にかかる時間も、実はそれなりにあります。
さらに、睡眠など生活に欠かせない時間を差し引いた、本当に自由に使える可処分時間を考えると、いったいどれほど残っているでしょうか。
これは、働き盛りの人たちにとって大きな悩みのひとつです。
睡眠時間も、決して十分に取れているわけではありません。
国際比較調査の結果をみても、日本人の睡眠時間は少ないことが明らかで、「世界一眠らない国」といっても過言ではないでしょう。
その理由として、労働時間の長さが指摘されています。
近年、日本人の労働時間は減少傾向にあるものの、1日に占める労働時間の割合は「長い」というのが、私たちの実感ではないでしょうか。
いくらたくさんの稼ぎが得られたとしても、生活のほとんどを仕事に費やす人生は、決して豊かなものとは呼べません。
個人として、また大事な人たちと一緒に過ごす時間や経験もかけがえのないものです。
個人で取り組む「働き方改革」
残業は一切なし、年次有給休暇の消化率も100%、皆が長期休暇も当たり前に取れる、という職場であれば言うことはありません。
ただ、現実問題としては、なかなかそうもいきませんよね。
そこで提案したいのが、働く時間(あるいは日数)を減らすことで、可処分時間を増やす方法です。
たとえば、1日の所定労働時間が8時間(週40時間)であれば、それを1日6時間(週30時間)にしたり、週休3日制にしたりするのです。
この場合の週休3日制とは、他の所定労働時間を増やさない、1日8時間労働であれば、週40時間から32時間に減らす場合のものを指します。
これまでも、育児や介護といった理由による時短勤務制度はありますが、事由を問わず個人のライフスタイルに合わせて働き方を選択できる仕組みを導入する企業は少しずつ出始めています。
今後、働き手のニーズに即して、多様な働き方がもっと市民権を得られるようになるはずです。短時間正社員制度を導入する企業も増えていくでしょう。
ただ、ここで気になってくるのが、給与のことです。
一般に、「労働時間が減ればそれに比例して給与も下がる」となりますが、「それでは困る」という意見が根強くあります。
現時点の給与が、生計を維持するギリギリなところであれば、確かに厳しいと言わざるを得ません。
しかし、すべての人がそういう状況であるとも思えません。
多少給与が減ったとしても、生活にゆとりが持てるなら、可処分時間を増やした方がいい、と考える人もいるのではないでしょうか。
それに、時間単価を高めることで、給与総額を大きく減らずに済むかもしれません。
そのための工夫や努力は必要ですが、物は考えようで、やり方次第です。
想像してみてください。
毎日の可処分時間がもし3時間増えたら、あなたは何をしたいですか。