この記事は、佐佐木由美子のnoteから転載しています。
「老後のお金がとても不安」
「年金だけでは生活できない」
「いつまで働けばいいの?」
そうした声が、よく聞かれるようになりました。
新NISAブームもあって、定年間近になって慣れない投資を始めようとする人もいます。
長い老後生活を考えたら、何かしなければと焦る気持ちはわかります。
しかし、投資にはリスクが伴うことも事実。それなりのリテラシーも必要です。
余力と関心があれば、やってみるのもいいと思います。
ただ、老後の生活において土台となるのは、やはり公的年金です。
メディアの影響もあってか、どうも年金に対する信頼度は低いようですが、どれだけ長生きしても、生涯もらい続けることができる点において、これほど心強い味方はありません。
ところで、老齢年金はいつからもらえるかご存じですか?
原則として、65歳からです。
ただ、65歳になると自動的に年金があなたの口座に振り込まれるわけではありません。
年金を受給するためには、年金請求書を提出する必要があります。
では、いつ提出するか? ここが大きなポイントです。
年金の受給開始年齢は自由選択制
年金の開始年齢は、原則としては65歳とされていますが、60歳から75歳の間で、あなた自身が受給開始のタイミングを決めることができることをご存じでしょうか?
もらい始める時期になんと15年間もの差があるのです。
冷静に考えてみると、すごいことだと思いませんか?
逆にいえば、人生が長期化して、それだけ人生の選択肢が多様化しているということです。
ちなみに、65歳より前にもらい始めることを「繰上げ受給」といい、65歳より遅らせてもらい始めることを「繰下げ受給」といいます。
詳しい内容はまた別の機会に譲りますが、請求するタイミングによって65歳でもらえるはずの年金額が減ったり増えたりします。そして、その額が一生涯続くのです。
そこで問われるのは、「いつから年金をもらい始めるか?」ということ。
「いくらもらえるか」を見込んだうえで、ライフプランを考えることが重要になります。
老後資金はどの程度あるのかということはもちろん、いつまでどのように働くのか、どのような老後生活を送りたいのか、健康面や収支のバランスなどを検討して、トータルに考えていく必要があります。
そう簡単に答えを出せることではないですよね?
年金をもらい始める時期によって、年金額が増えたり減ったりするなら、その仕組みも理解しておきたいですし、他にも知らないだけで「えっ!」というような落とし穴(?)があるかもしれません。
ですから、年金制度の大枠の仕組みや留意点をおさえておくことは、あなた自身の今後の生活に直結する大事なことなのです。
いつまでどのように働くか
また、これからの働き方を考えていくことも年金と関係してとても重要なテーマです。
一定の勤労収入があれば、年金を慌ててもらう必要もないでしょう。
現在は、まだ60歳定年の企業が主流を占めています。仮に定年まで順当に働いたとしても、その後どうするのか、どうしたいのかは、個人ごとに価値観は異なります。
定年後から年金受給開始年齢となる65歳までは、本人が希望すれば働き続けられる雇用環境が整っているので、何となくそこまでは働こうと考える人は多いかもしれません。
しかし、定年後に再雇用等で働く場合、給与が激減してモチベーションも大幅にダウンするケースも多く、どちらかというとネガティブな印象を持たれている方も少なくないはず。
そうした傾向は、確かにこれまでは強かったといえます。
ところが、人手不足が深刻化する中で、中高年の労働市場は、にわかに活気づいている点は大きなプラス要素です。
実際、定年延長を打ち出す企業や処遇を見直す企業も出てきており、シニア人材の活躍の場は広がりつつあります。
今50代前半の団塊ジュニア世代が定年を迎える頃には、労働市場も様変わりしていることでしょう。
貯蓄や投資などで将来に備えることも大事なことですが、より長く柔軟な働き方で収入を得る方法も、ぜひポジティブに考えていただきたいのです。
人生の出口戦略を考えよう
これからはストックだけで生きていくのは、よほど潤沢な老後資金がない限り、長寿化にともなってますます難しくなっていきます。
ストック(資産)とは、貯蓄や投資で得たお金はもとより、これまで築き上げてきた人的ネットワークや資格、肩書など、かつて手に入れてきたものすべてを意味します。
定年から人生の最期まで10~15年くらいであれば、かつての肩書で社会的な信用を得つつ、それまでの貯蓄や家族のサポートなどでうまくやってこられたかもしれません。それが30年ともなれば、ストックだけではとても賄いきれません。
だからこそ、その時々に応じて何かしらの価値、お金を生み出すフローの力が大事になるのです。ストックが十分でなくとも、フローの力があれば、ある程度は何とかなります。
そして、最後に頼るものは、やはり年金です。
老後について不安を抱えている人は多いですが、それはわからないことが多すぎるから。年金制度もそのひとつです。仕組みが理解できないと、判断のしようがありませんよね?
何よりも、私たちは、案外と自分自身のことを理解していないものかもしれません。
自分が将来、どんな生活を送りたいのか具体的にイメージできていないと、何となくその場しのぎになってしまうものです。先の見通しが立たないことも、不安を大きくさせてしまいます。
あなた自身の人生を幸せに過ごすために、人生の出口戦略を考えていきませんか?
それは、自分らしい働き方と老後のお金の生み出し方を検討し、方向性を見据えたアクションを取っていくことです。
ぜひあなた自身の<最適解>を見つけ、不安を希望ある未来に変えていきましょう。
『人生の出口戦略』をテーマに、ブログとnoteで同時展開していきます。このブログでは、ピンク色のタグで『人生の出口戦略』をクリックすると、シリーズでご覧いただけます。noteでは過去の記事から順番にご覧いただけますので、アカウントをお持ちの方はぜひフォローしてご覧ください(記事を更新のお知らせが届きます)。
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