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短時間勤務者を対象「育児時短就業給付」とは?

社会保険とお金

こんにちは、佐佐木 由美子です。

子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律が2024年6月 12 日に公布され、「共働き・共育て」及び育児期を通じた柔軟な働き方の推進のため、「出生後休業支援給付」及び「育児時短就業給付」が創設されることになりました。

このエントリでは、「育児時短就業給付」の内容について取り上げます。

育児時短就業給付とは?

現状では、育児のための短時間勤務制度を選択し、賃金が低下した労働者に対して給付する制度はありません。

「共働き・共育て」の推進や、子の出生・育児休業後の労働者の育児とキャリア形成の両立支援の観点から、柔軟な働き方として時短勤務制度を選択しやすくするため、育児のために時短勤務を行い収入が低下した場合の支援として「育児時短就業給付」が創設されることになりました。

2歳未満の子を養育するために、2025年4月1日以降に時短勤務を行う男女労働者が対象となります。

財源としては、子ども・子育て支援金が当てられます。

育児時短就業給付の支給額は?

「育児時短就業給付」は、雇用保険の被保険者が2歳未満の子を養育するために時短勤務をする場合、時短勤務中に支払われた賃金額の10%が支給されます。

ただし、賃金と給付額の合計が時短勤務前の賃金額を超えないように、一定の賃金額を超えた場合には給付率を逓減させる仕組みとなっています。

育児時短就業給付の対象者は?

雇用保険の被保険者が2歳未満の子(養子を含む)を養育するために時短勤務を選択し、以下(1)から(3)のいずれかに該当する場合が対象となります。

(1)時短勤務を開始する前の2年間に、みなし被保険者期間が12か月以上あること

(2)育児休業給付金を受けていた場合、その育児休業終了後に引き続き育児時短勤務をしていること

(3)出生時育児休業給付金を受けていた場合、その出生時育児休業終了後に引き続き育児時短勤務をしていること

みなし被保険者期間が12か月以上あることは、現行の育児休業給付の要件と同じです。

柔軟な働き方を支える観点から、給付対象となる時短勤務の労働時間または日数については制限が設けられないことになっています。

まとめ

2025年4月1日から、2歳未満の子の育児のための時短勤務を行う場合、「育児時短就業給付」が創設されることになりました。

具体的な申請方法や書式などの詳細についてはまだ公表されていませんが、育児のための時短勤務を検討されている方は、こうした支援の仕組みができることを知っておくとよいでしょう。

企業側としては、従業員が時短勤務をする際の業務内容の見直しや、一部の業務をフォローする従業員への対応についてよく検討することが大切です。

2025年4月に改正施行される育児・介護休業法の内容を理解するとともに、就業規則(育児・介護休業規程)の改定についてもご留意ください。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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