こんにちは、佐佐木 由美子です。
晴れた日の午後に、横須賀美術館へ足を運びました。
都心から電車とバスを乗り継ぎ、接続がよければ1時間半程でアクセスできます。
美術館は三浦半島の東端、風光明媚な観音崎にあり、後ろ三方を豊かな森に囲まれ、目の前には東京湾が広がっています。過去には絶景美術館にも選ばれたことがあるそうで、まさに絶好のロケーションといえるでしょう。
横須賀美術館を設計したのは、2024年にプリツカー賞を受賞した建築家・山本理顕氏(山本理顕設計工場)。
ガラスと鉄板の入れ子構造からなる外観に特徴がありますが、ここでは美術館建築を存分に鑑賞することができます。
海側からのメインアプローチは、前面道路から建物正面を臨み、海の広場脇のスロープを上がり正面玄関からエントランスホールへ。
一見すると、ガラスの透明な外観が爽やかな印象を与えますが、展示棟はガラスと鉄板によるダブルスキン(二重皮膜)で覆われています。
自然光を存分に取り込みながら、溶接された鉄板によってしっかりと守られている。それが開放的でありながら、白い繭の中にいるような安心感があって、とても心地よい空間を演出しています。
天井や壁には、不規則に様々な大きさの丸い穴が。そこから差し込む光、海の青さや外の景色を望むことができ、至るところに楽しい発見があります。
「小さな丸穴からは森の深い緑が見えます。晴れた日の夕方、丸穴から見る空の色は驚くほど濃い青色です。大きな丸穴の海を大きな貨物船が通過していきます。雨の日、寒い日、暑い日、長い時間、短い時間、時の変化を楽しむことができる美術館です」
山本理顕
エントランス左手には、らせん階段と奥にガラスのエレベータがあり、屋上広場へ行くことができます(無料)
階段を上る途中に、ダブルスキン構造をよく観察できる空間があるので、そちらも必見。
屋上広場からは、東京湾が一望できます。様々な大型船が行き交う様子を楽しむことができ、遠く対岸には房総半島を望めます。ペントハウスから望遠鏡で観察することも(無料)。
屋上広場は、森からの遊歩道とつながっていて、周辺散策を楽しむこともできます。
美術館の全景を見たかったので、海沿いの道からゆるやかな登り坂いて、建物の側面も鑑賞してきました。
本館展示棟と離れて、谷内六郎館があります。(企画展のチケットで鑑賞可。谷内館のみの鑑賞も可能)
谷内六郎の名を知らなくとも、この絵に見覚えがある…という中高年の方は多いのではないでしょうか。
週間新潮の表紙絵を創刊から25年もの間描き続け、ノスタルジックな昭和の風景を描くことで知られています。
横須賀美術館は、建物の三方を山の緑に囲まれていますが、右手には不思議な鉄の谷のような彫刻があり、通り抜けて美術館のエントランスへとつながっています。
ランチはアクアマーレで
東京・南青山のレストラン「アクアパッツア」日高良実シェフプロデュースによるイタリアンレストランが併設されています。
アクアパッツアも良いですが、地元の素材を楽しめるアクアマーレもおすすめ。
リーズナブルなお値段で、美味しいランチを堪能しました。
美術館を鑑賞後、足をのばして観音崎灯台へ。
観音崎公園内を海沿いに歩き、観音崎灯台へ続く道はなかなかハードですが、灯台からの景色は最高。
こちらは1869年に店頭した日本で最初の当洋式灯台(現在は3代目)です。
東京から1時間半程度、プチ旅行気分で建築とアート、そして自然を楽しめる横須賀美術館。
天気の良い日に、足を運んでみてはいかがでしょうか。