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産後パパ育休を2回に分けて取得するときの注意点

社会保険とお金

こんにちは、佐佐木 由美子です。

年内に出産予定の方から、「産後パパ育休を利用して、夫婦で育児休業を取ります」とご連絡がありました。こういう報告を聞くと、ちょっと嬉しくなります。

育児休業をまとまった期間取ることができればよいのですが(ぜひそうしてほしいと個人的には考えています)、やむを得ず仕事の都合等で分割して取得することもあるかもしれません。

産後パパ育休は、従来の育児休業と比べて柔軟に取得できますが、色々なパターンが考えられるため、悩んでしまうこともあるようです。

育休中は社会保険料の免除制度もあるので、できるならば経済的な支援も受けたいと思いますよね。

これまでも社会保険料の免除等については取り上げていますが、ケース別に注意点など取り上げてみたいと思います。

今回のエントリでは、産後パパ育休を2回に分けて取得するときの注意点について、社会保険料免除の観点からお伝えします。

月額保険料に関する原則的な考え方

産後パパ育休・育児休業を開始した日の属する月については、その月の末日が育児休業期間中である場合に、当該月の標準報酬月額(給与)にかかる社会保険料は免除されます。

たとえば、6月26日から7月25日までの間で産後パパ育休を取得した場合、6月分の月額保険料は免除になります。

この原則に加えて、その月中に14日以上(ただし、就業日を除く)の育児休業等を取得した場合についても、当該月の保険料は免除されます。

日本年金機構「健康保険法等の改正に伴う育児休業中の保険料免除要件の見直し」より一部抜粋

これは2022年10月から新たに設けられた改正点です。

ただ「14日以上」を意識するあまり、同月内に育休開始・終了日がある場合は14日未満だと免除にならないと思われていることもあるようです。

しかし、14日未満のごく短い期間に産後パパ育休を取得した場合でも、同月内の育児休業等は合算して育休期間の算定をすることができます。合算することで、要件を満たす場合があります。

具体的なケースで考えてみましょう。

同月内で産後パパ育休を分割取得する場合

たとえば、産後パパ育休を7月3日~7月6日(4日間)、7月17日~7月26日(10日間)の2回に分割して取得するとしましょう。これらを合算すると14日となります。

日本年金機構「健康保険法等の改正に伴う育児休業中の保険料免除要件の見直し」より一部抜粋

この産後パパ育休期間中に就労がない場合は、2つの産後パパ育休期間を合算して14日以上の要件を満たすため、7月分は社会保険料が免除されることになります。

それぞれの産後パパ育休では要件を満たせなくとも、合算することで要件を満たすことができる事例です。

なお、このケースの場合、7月分の賞与保険料は免除になりません。

賞与保険料の免除を受けるには、連続した1か月超の育児休業等をした場合に限られます。

※賞与保険料の免除に関しては、以下のエントリを参照ください。

別の月に産後パパ育休を分割取得する場合

それでは、別の月に産後パパ育休を分割取得する場合はどうなるでしょうか?

たとえば、10月5日から10月18日(14日間)に1回目、11月1日から11月14日(14日間)の産後パパ育休を分割取得したとしましょう。いずれも就労はないものとします。

このケースでは、10月と11月のそれぞれに産後パパ育休の開始・終了日があり14日以上の要件を満たしているため、10月分と11月分、両方の月額保険料が免除されます。

上記は月末を含まないケースとしてご紹介しましたが、このように取得するタイミングによって、社会保険保険料免除の有無が変わってくる点に注意が必要です。

まとめ

今回は、産後パパ育休を2回分割取得する場合の社会保険料免除についてお伝えしました。

ここで取り上げた事例は、それぞれの産後パパ育休期間に一定の空白期間があるものです。

2つ以上の育児休業等を連続して取得する場合は、注意しなければならないことがあります。

ぜひ以下のエントリもあわせてご覧ください。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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