定年前後の働き方大全100

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「これからの働き方」と共に年金についても考えよう

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こんにちは、佐佐木 由美子です。

ミドル以降の40~50代にもなれば、人生経験も豊富になる一方、長期化する人生後半の生き方・働き方について考え始める人は多いのではないでしょうか。「定年」について意識すれば、尚更気になるのでは?

まだ定年はずっと先・・・・・・という人も、これからの働き方について考えておくに越したことはありません。

多様化する働き方

私たちの働き方は、ITの進化やグローバル化等によってますます多様化しています。

大企業に優位性のある硬直的な長期雇用モデルから、個人や小規模企業が主体の柔軟な働き方へ。

それを可能とするインフラが今は揃っていますし、コストをかけずに個人でメディアを持てる時代です。

別の見方をすれば、個人の自由意思で、生き方・働き方を選択しやすくなっていると言えます。

そもそも、学校を卒業してからずっと同じ会社や仕事を続けていくことを前提にすること自体が、違和感がありますよね。

職業人生が長期化する今後は、尚更そうです。

人生での経験値を高めてきたミドル以降こそ、人生後半に向けて、理想とする自分らしい働き方を考えられる時期ではないかと思います。

もちろん、ミドル以降に限らずいつだって可能なのですが、より現実的に社会全般を見回すこともできますし、自分の趣味嗜好や取り巻く状況がより鮮明になってきているはず。

「働き方と生き方は別だ」、という人もいるでしょう。

価値観は人それぞれですが、私自身としては、ほぼイコールでつながっています。

雇われない働き方のメリット・デメリット

現在、私は「雇われない働き方」をしていますが、多様化する働き方の一つに、こうした雇用によらない働き方は、十分に現実的な選択肢だと考えています。

具体的に、雇用によらない働き方とは、個人事業主やフリーランスとして開業・起業することです。

場合によっては法人を共同経営をしたり、軌道に乗って従業員を増やしたりするケースもありますが、まずはシンプルに一人で始めることができます。

しかし、長く組織で働いていた人にとっては、リスクが高いと感じられるかもしれません。

それもそのはずで、仕事案件は自分で生み出す(その仕組みを作ったり、商品・サービスを開発したりする)必要がある点が大きく違います。

また、毎月一定の給与がもらえるのと違って、収入も安定しない一面があります。

これは一般的にデメリットと考えられていますが、うまくいけば青天井なわけですから、メリットとも言えるのでしょう。

雇用される働き方よりも、「稼ぎ力」を実感できるのが、雇われない働き方の魅力のひとつです。

一方で、組織に属して働く方が向いている人がいるのも事実。その方がパフォーマンスを発揮できる場合もあります。

フルタイムばかりでなく、パートタイムや週休3日制など、自分のライフスタイルに合わせて働く時間等を選択することも、労働契約の場合はしやすくなります。

さらに近年は、副業・兼業も広まってきているので、パラレルなキャリアを築く人も増えてきています。

小さく起業しながら、組織にも属して給与をもらう人や派遣社員として働く人など、ひと昔では考えにくかったことが、今ではごく普通に行われています。

自分らしく働ける場所や環境は、人それぞれ違っていて当たりまえ。

人生において、時間というリソースは限られています。ミドル以降は後悔のないように、自分の働き方を自らの意思で選択し、切り拓いていけたら素敵ですね。

働き方と年金リテラシー

多様な働き方について考えるとき、また働き方を大きくシフトする際には、公的年金のことも一緒に考えることは大事なことだと考えています。

社会経験が豊富なビジネスパーソンでも、意外とこうした面について知らないまま定年を迎えられる方も多いようです。

20~30代の頃は、年金といっても遠い未来の話で、どこか他人事だったかもしれません。

しかし、40~50代になったら、人生後半に向けての生活設計をもっとリアルに考えておきたいもの。生きていくうえで、お金の問題は切り離せません。

まずは、これまでの職業人生から、公的年金の見込額についてチェックしておきたいもの。年金額は、「ねんきんネット」等からチェックすることができますし、年金事務所の窓口で相談することも可能です。全体的な仕組みについても、基本を理解しておきたいところです。

働き方や収入によって、公的年金の受給額は大きく変わってきます。

だからこそ、働き方を変えるときに年金についても考えておきたいのです。

自分が理想とする働き方に合わせて、公的年金で足りない分をどう準備するか。私的年金として上乗せして加入する場合に、どういった制度があるのか。

そうしたことをチェックして具体的にカバーするようにしておくことで、先行きに対する不安をかなり軽減できます。

逆にある程度、年金額をある程度受給できる見込みが持てれば、もっと緩やかな働き方にシフトすることも抵抗がなくなるはずです。

たっぷりもらえる方は少ないにしても、「このくらいあるなら、このくらい稼げばいい」という目安にもなります。

考えてもみてください。年金制度がなく、定年後の生活費をすべて自分で賄わなければならない、となったら、ちょっと恐ろしくないですか?

会社員として働いていると、会社が手続き関係をカバーしてくれますし、退職金の支給もあったりするので、何とかなってしまうケースはこれまで多かったかもしれません。

あるいは、「わからない!」と見て見ぬふり……という人も結構いるかもしれません。

けれど、主体的に自分で多様な働き方を選択する場合は、ある程度セルフマネジメントをしていくことは大切。そのための情報収集や、大人の学び直しも有効だと思います。

その気になれば、いつからでも私たちは学ぶことができます。

自分らしい働き方をするにも、生活をしていくにも一定のお金は必要です。そして、ちょっとした知識も、行動力も大事。

幸せに暮らしていくために、余計な不安を抱えないに越したことはありません。

ミドル以降~定年前後も、年金・社会保険のリテラシーを高めて、より良い人生を生きるために、働き方とお金の関係について考えていきましょう。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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