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働き方

自分らしく働くために、考えておきたいこと

働き方

こんにちは、佐佐木 由美子です。

人は就職するとき、何を基準に企業を選ぶのでしょうか?

業種・事業概要はもちろんのこと、一般的には企業規模や将来性、安定性、社風、給与や休日・休暇等の労働条件や残業時間、福利厚生、育休取得率などは重視されることでしょう。

中途入社やジョブ型雇用であれば、職種を重視することはできますが、新卒の場合はどこに配属されるか人事権は企業側にあるので、具体的にどのような仕事ができるかという中身で選ぶことはできません。(逆にそれだけのスキルを学生時代に学校教育で身に着けるには、相当高い意識を持って努力する必要があります。)

入社して与えられた仕事をこなしていくうちに、「面白い」や「向いていない」など、様々なことを感じながら、キャリア形成を考えていくことになりますが、最初から「どんな働き方をしたいか?」を重視して検討する人は少ないのではないでしょうか。

私が就職するときは、働き方は今よりずっと固定化されていて、正社員として働く場合に、選択の余地などありませんでした。

新卒で入社した会社はフレックスタイム制ではありましたが、コアタイムがあるので、大抵の人は10時前から18時くらいまでは出社して働きますし、残業も織り込み済みです。

また、辞令一つで全国転勤もありますし、人事異動も自分の意思とは関係なく行われます。

当時から時間単位年休も取れたので、フレックスと組み合わせれば、かなり柔軟な方だったとは思います。

しかし、基本的に働き方を決めるのは会社であって、企業に勤めている以上、自分の思い通りにならないものだ、という認識が根底にありました。

「正社員=残業付きで無制限に働く」ということを、口には出さなくとも、多くの人が持ち合わせていた感覚だと思います。(今もそうかもしれませんが)

そのため、働き方を考える余地もなく、せいぜい「残業が少なければいい」程度のものでした。

もし働き方を自分の思い通りにしたいと真剣考えるなら、会社を辞めてフリーランスになるのが現実的な選択肢だったと言えます。ですが、そう誰でも簡単にできるものではありません。

働き方の変化

働き方に関して言えば、パンデミックを契機に、流れが大きく変わってきました。

コロナの感染防止として、これまで企業側も渋っていた在宅勤務が試験的に始まり、一部の企業ではリモートワークが主流の働き方として定着しました。

最近の調査では、転職時に重視する要件として、副業・兼業か可能か、リモートワークができるかなど、「柔軟な働き方」が注目されていることがうかがえます。

働き方そのものが、企業の魅力、インセンティブになってきているのです。これは大きな変化と言えるでしょう。

(参照)転職を検討する際に、リモートワーク・テレワークを実施しているかどうかが「応募の意向に影響する」と回答した人は約6割

出所:パーソルキャリア「第3回 自社のリモートワーク・テレワークに関する調査」(20~30代対象)

これまでの日本型雇用システム下においては、あまりにも働き方が硬直化していました。それに従えないのなら、正規雇用は難しいと言わんばかりに切り捨てられた人たち(特に出産・育児のために離脱した女性)がどれほどいるでしょうか。

パンデミックがもたらした働き方への影響は大きいものですが、その下地として、国が進めてきた働き方改革(多様で柔軟な働き方を拡大しようとしていた動き)やIT化の進展という要因も見逃せません。

さらに言えば、育児・介護休業法の度重なる改正によって法整備が進んでいることも、男女の働き方を考えるうえで、今後の大きなファクターの一つになると考えます。

自分らしく働くための一歩

どのような仕事をしたいのか、そしてどのような働き方がしたいのか。

両者は大変密接に関わっています。「キャリア」という言葉を使うときは、主に前者を指しますが、それぞれについて考えながら、両者が重なり合うところを探っていくと、自分らしく働ける状態に近づけます。

働き方に関して言えば、自分が理想とする、考えるだけで胸がわくわくするような働き方をリアルに思い描いてみることです。ただ自由になりたい、とか働く時間を決められたくない、といったぼんやりとしたものでは意味がありません。

スケジュール表がうまるくらい具体的に、それこそ、理想的な働き方の一日を描いてみてください。自由度が高まれば、スケジュールも日々変わっていくでしょうが、「こんな一日」「こんな一週間」を何パターンも時間をかけてじっくりと描いてみるといいと思います。

そうしたビジョンを描くことが、自分らしく働くための一歩だと私は考えます。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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