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働き方と社会保険のつながりについて

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このブログは、「働き方」、「ライフ」、「社会保険とお金」という3つの大きなテーマ(カテゴリー)で書いています。

「働き方」は、もう少し専門的に言えば雇用や労働問題の話になりますし、「社会保険とお金」は社会保障制度に属する話になります。

これらは一般に、別ジャンルとして区分されています。

例えば、大学のシラバスをみても、それぞれの専門に分かれてしまい、別々なものとして扱われてしまいます。

でも、なぜだろう?と素朴に疑問を感じてしまうのです。

別々のものとしてしまうと、全体像が見えてきません。

私たちは、日々生活していると同時に、長い人生を歩んでいます。

今この時を考えながら、長期的な視点を持って、自分の人生に向き合っていくことは、「人生100年時代」だからこそ大事になると思います。

例えば、会社員という働き方からフリーランスに転身するとき、健康保険と年金も変わりますし、納める保険料や受けられる保障も現在そして将来に渡って変わっていきます。何がどう変わるのか、扶養する家族がいるなら尚更その違いを理解しておくと、安心ではないかと思います。

また、妊娠・出産するとき、給付金をもらいながら育児休業を取れる人もいれば、そうでない人もいます。それは働き方の違いによるものですが、パートナーについても同様で、夫婦で子育て期をどう過ごしていくか考えるための材料にもなります。

これらはほんの一例に過ぎませんが、生活と仕事は表裏一体です。そして、働き方と社会保障は密接な関係があります。

このブログで働き方や社会保険について書いているのは、社会保険労務士としてのキャリアが背景にあることも関係していますが、さらにライフ(生活、人生)を加えることで、これらに繋がりを持たせたいという想いがあります。


日本型雇用システムにおいて、これまで終身雇用が(特に男性においては)一般的で、組織に属していれば、社会保障など考えなくとも右肩上がりに給与は上がって、定年後は年金生活が送れました。

その配偶者である女性も、結婚・出産を機に仕事を辞めても税制や社会保険においては優遇されています。

国が提示する年金の標準モデルも、主たる生計維持者は厚生年金に加入している夫で、妻は専業主婦という片働き世帯がずっと描かれています。

しかし、1997年以降は、共働き世帯数が「男性雇用者・専業主婦」世帯を上回っていて、その差は開くばかり。一体、どれだけの人たちがモデル通りの年金生活を送れるのでしょう? ここ20年以上は給与水準もほぼ横ばいで、単独世帯も年々増加しています。

女性の働き方をみると、男性のように同じ企業に長く勤めるのは必ずしも一般的とは言えませんし、正規雇用ばかりではありません。給与も違います。働き方も多様化しています。

いくらモデルがあったところで、そのように生きられるわけではありません。

私たちは、一人ひとり違う人生を歩んでいます。

しかも、人生は長期化していて、働く期間も、引退後の時間もどんどん長くなっていきます。

だからこそ、自分自身でどう在りたいか、主体的に考え、行動していくことが大事になってくるのです。

そのとき、働き方や社会保障のことを自分の人生において繋げて考えられるようになると、少し心強くなれるのではないでしょうか。

特にミドル以降になると、先々の身の振り方について考える機会も自然と増えていくものです。

いたずらに不安を募らせるだけでは、前に進めません。

地に足をつけて生活していくことも、自立した一人の人間として大事なことだと私は考えています。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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