こんにちは、佐佐木由美子です。
あなたは、今の仕事にやりがいを感じていますか?
「仕事にやりがいを感じられない。だからと言って、どうすることもできない……」
そうしたお悩みの声を聞くことがあります。あなたも似たようなモヤモヤ感を抱えていませんか?
男女経営者のヒアリング調査で感じたこと
仕事へのやりがいを感じられない、現状に何となく満足していない……
だからといって、仕事を辞めてしまえば生活ができませんから、そう簡単に辞めることはできません。
「お金のためだと割り切ればいいじゃないか」という意見も当然あるでしょう。でも、そうあっさりと割り切れないから、モヤモヤとしているのではないでしょうか?
特に、こうしたモヤモヤは女性に多いと感じます。
以前、研究論文を書くために、中小企業の男女経営者にヒアリング調査を実施したことがあります。
そこで感じたのは、女性は自分の仕事に意味を求める傾向が強い、ということ。
大きな売上や富、名声といったものより、いかにその事業に社会的な意義があるか、貢献できるか、自分にとって意味が感じられるものか。そういうところに価値を置いているのは、男性よりも女性の方が多かったのです。
自ら事業を起こす人は、志が高いからだろう、と感じるかもしれませんが、そうとばかりは限りません。普通に会社員として働く女性たちからも、「仕事のやりがい」への悩みはこれまで何度となく聞いてきました。
仕事のやりがいを高めるための3つの要素
仕事にやりがいを感じるには、様々な要素が複合的にありますが、特に以下の3つの要素が大きいと私は考えています。
1.自分がその仕事を好きであるということ
2.自分が得意(スムーズにできる)であること
3.その仕事から適切な報酬が受けられること
これら3つのバランスがうまく取れていると、仕事にやりがいを感じて活き活きと働くことができると考えます。
分解して、ひとつずつ見ていきましょう。
1.自分がその仕事を好きであるということ
当たり前のように思うかもしれませんが、世の中には自分の好きとは縁遠い仕事をしている人たちが大勢います。会社員の場合、仕事を選り好みすることはできません。
好きなことが漠然としているなら、思いつくままに100個、自分の好きを書いていくワークをしてみるのもおすすめです。あなたが幼少の頃や学生時代、夢中でやっていたことにヒントが隠されている場合もあります。
2.自分が得意(スムーズにできる)であること
「私は〇〇が得意です!」とすぐに言える人は、意外と少ないかもしれません。日本人はとかく謙遜しがちで、人から褒められても「いやいやそんな…」とすんなり言葉を受け入れることが苦手です。得意を伸ばすよりも、苦手を克服することに努力してきた人も多いのでは?
自分が得意なことは、必死にならなくても、スムーズにできてしまうことです。もしあなたが「すごいね、よく〇〇できるね」と人から感心されることがあれば、それは間違いなくあなたが得意なことです。
3.その仕事から適切な報酬が受けられること
この報酬には、2つの意味があります。
一つは、仕事を通して受け取れる給与、稼げるお金の金額です。私たちが暮らしていくうえでお金は欠かせません。1日の多くの時間を費やす仕事から、生活費+αを稼げないとしたら、たちまち生活が不安定になってしまいます。適切な額は人それぞれですが、あなたが欲しいと思える金額を得られることは、やりがいにもつながります。
もう一つは、人からの感謝の言葉や、仕事を通じた人間関係からもたらされる温かい絆といった、目に見えない報酬です。感謝されることは、あなたの存在を肯定するものでもあり、誰かから必要とされていることであり、自己肯定感を高めてくれます。
まとめ
時々、「好きを仕事に」という特集などを見かけますが、好きだけで仕事を続けていくのは、なかなか大変です。
たとえば、私は絵を見るのが好きですが、絵をうまく描くことはできません。努力したからといって、良い絵が描けるとも思えません。実際、油絵にトライしたことがありましたが、描きたいような作品とは程遠い出来栄えで、趣味として続けることもできませんでした。
一方、「これはお金になる」「これからはDX人材だ」など、報酬に釣られて職業を選んだとしても、「好き」と「得意」が重ならなければ、やりがいを感じて続けることは難しいでしょう。
今あなたがやっている仕事と、この3つの円のバランスを振り返ってみてください。
全体的にそれぞれの円が小さいのか、ひとつだけ突出して小さいのか。もし、報酬の円が小さければ、今のままで大きくなる方法を検討し、可能性が限りなく低ければ、別の場所、やり方を考えてみることで、モヤモヤから脱することができるかもしれません。
※この記事内容と関連して、「働き方はWhyから考える」も、ぜひ参考にしてください。
キャリアに正解はありません。自分がどれだけ納得できるか、その最適解に辿り着けるかどうか、ではないでしょうか。