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女性のキャリアとロールモデル

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「ロールモデル」とは、将来目指したいと思う模範となる存在のことを言います。

女性活躍や女性のキャリアと結び付けて、よくこの言葉が出てきます。

女性によく使われるのは、男性にはロールモデルたる人材がゴロゴロいるからでしょうか?

「わが社にはロールモデルがいないから、女性活躍が進まない」とか、「ロールモデルを設定して女性管理職を増やそう」といった言葉を聞くとき、私はちょっと複雑な気持ちになります。

企業でロールモデルとして設定されるのは、子育ても仕事もバッチリこなす女性管理職が多かったりしますよね。もちろん、それが悪いわけではありませんが、何を理想とするか、幸せや成功の定義は人それぞれ。

人材育成として、キャリア初期、中堅社員……のように一定の対象層に、企業が社員に求める行動特性を示すことはよいとしても、人材の多様化が進む中で、私生活をも含めた具体的なロールモデルを示す必要はあるのでしょうか。

ましてアラフォー以降の世代となれば、ある程度は個のスタイルが確立されているはず。

今から必死に、ロールモデルを模倣する必要などないでしょう。

もちろん、「この人が素敵!」「あの人の〇〇なところがスゴイ」「あんな風に働いてみたい」といった感じで、憧れを抱くことはあるでしょう。これは大いに結構なことです。

特に学生や20代のうちは、自分の身の回りにいる女性ばかりではなく、もっと視野を広げ、様々な人たちの働き方や生き方を参考にしたらいいと思います。

私も学生時代、影響を受けた女性はいます。一人の人間として、自立して生きていくための精神的な心構えのようなものを手探りで学んでいった時期でもありました。

生きていく中で大事なことは、「自分はどう在りたいか」ということではないでしょうか。


私自身は組織から離れて長い時間が経っていることもありますが、これまでほとんどロールモデルを意識したことはありません。尊敬する方はいますが、ロールモデルとはちょっと違うような気がします。

ただ、ライフステージに応じて、自分はどう在りたいかはいつも真摯に考えてきたつもりです。

自分にとって、理想の生き方、働き方とはどんなものか。どうしたらそれが実現できるか。

自分の頭で考え、トライアル&エラーを繰り返しながら歩んできました。

こうあったらいいとワクワクできるような自分の未来が、もしかしたらロールモデルのような役割を果たしてきたのかもしれません。

「人生100年時代」を展望すれば、それこそいつまで、どのように働くかは自分次第。

そう考えると、ロールモデルとは与えられるものではなく、自分で創っていくものだと思うのです。

オリジナルの人生だから、面白いのではないでしょうか。

仮に、今あなたが組織の中でマネジメントのポジションにあったとしても、あなたが誰かのロールモデルになろうと気負う必要もありません。

その時々で、あなたが最良だと思う選択を重ねていけばいいのです。

執筆者プロフィール
佐佐木 由美子

社会保険労務士、文筆家、MBA。グレース・パートナーズ株式会社代表。働き方、キャリア&マネー、社会保障等をテーマに経済メディアや専門誌など多数寄稿。

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